1章 かわいい工学とは何か
https://gyazo.com/225a38f4c453f85443f9716ea645f4ee
物質社会
20世紀の科学技術の著しい発達
一方で環境破壊や地球資源の枯渇
情報社会
情報通信技術の飛躍的な発展
環境への配慮や人間への支援
物質的・経済的な豊かさ→精神的な豊かさ
従来のものつくりの価値観
性能、信頼性、価格
「感性」を第4の価値として認識しようという国の取り組み 2007年に開始
著者らの研究
キャッチフレーズ: 「人にやさしい情報の形とは?」
社会的弱者こそがその恩恵に浴すべき
これまでの研究
「誰もが安心して暮らせる社会を実現するための、生活空間の条件の感性実験による導出」を実施
社会的弱者が安心して暮らせるために必要な「生活空間の条件」を明確化し、安心空間のガイドライン策定に寄与することを目指す
並行して「脳波を用いたAIBOの動作制御システム」の研究
ソニーのAIBOを用いて、利用者に精神的な安静状態を得やすくする 感性的な価値の定量化がある程度可能になった
人間が空間やペットロボットに対して感じる「安心感」や「快適感」といった感性的な価値
アンケートの解析結果や生体信号の波形の処理結果
日本のコンテンツや工業製品などの人工物の感性的価値の系統的な創成に応用する研究に着手
日本のソフトウェアの大幅な輸入超過の中にあって、日本生まれのデジタルコンテンツが大きな輸出超過になっている点に着目
感性工学を研究してきた著者らは、人気の大きな要因として「かわいさ」があげられると考えた 2006年当時、「かわいい」を今後の人工物の感性価値として研究対象としている例はなかった かわいいデザインの製品も時折販売されている
これはデザイナーの暗黙知、女子高生へのアンケート調査、カリスマモデルの好みなどをアドホックに利用した結果
「かっこよさ」や「スマートさ」に重点
「かわいい」事物に関する研究
いずれも子どもや動物のしぐさ、動物をもした人工物のしぐさであり、人工物自体の「かわいさ」に焦点をあてた研究ではなかった
この研究の目的
人工物自体の「かわいさ」=人工物の形状や色・テクスチャや材質などの諸属性に起因する「かわいさ」を系統的に解析
その結果から「かわいい」人工物を構成する手法を明確化する